ランニングは「脚を使う運動」というイメージが一般的ですが、実は全身運動であり、特に「体幹」の働きが極めて重要です。あなたは、自分の体幹がどれだけランニングに貢献しているか、意識したことがありますか?フォームが崩れたり、疲れやすかったりする原因の一つが、この体幹にあるかもしれません。
本記事では、ランニングを研究している理学療法士の視点から、体幹の「コアユニット」を構成する重要な筋肉群「多裂筋(たれつきん)」「骨盤底筋群(こつばんていきんぐん)」「腹横筋(ふくおうきん)」「横隔膜(おうかくまく)」に焦点を当てます。これらの筋肉が連動して働くことで、腹圧を高め、姿勢を維持し、接地の衝撃を分散させるなど、ランニングに欠かせない役割を果たします。
例えば、背骨を安定させる「多裂筋」、骨盤を支える「骨盤底筋群」、腹部をしっかり包み込む「腹横筋」、呼吸に欠かせない「横隔膜」。これらがしっかり機能することで、フォームの維持、呼吸効率の向上、膝や腰の負担軽減につながり、パフォーマンスも向上します。ランニングにおいて「体幹を鍛えること」は一般的に知られていますが、その具体的な構造や働きについて正しく理解している人は意外と少ないです。
本記事では、体幹のコアユニットを構成する「多裂筋」「骨盤底筋群」「腹横筋」「横隔膜」に焦点を当て、それぞれの役割とランニングでの重要性を解説します。
体幹のコアユニットは4つの筋肉で構成!
以下の4つの筋肉が連動(コアユニットを構成)することで、腹圧を高めることができ、身体の安定性と柔軟性、呼吸効率が向上し、ランニング時の怪我防止やパフォーマンス向上につながります。
- 多裂筋(たれつきん):背骨を安定させる筋肉。
- 骨盤底筋群(こつばんていきんぐん):骨盤の底を支える筋肉群。
- 腹横筋(ふくおうきん):腹部を包むように配置された筋肉。
- 横隔膜(おうかくまく):呼吸に関与する筋肉。
体幹コアユニットを構成する筋肉の役割
体幹のコアユニットを構成する4つの筋肉を説明していきます。
多裂筋
- 位置:脊柱(背骨)に沿って走る深層筋。
- 役割:背骨を細かく制御し、ランニング時の体幹の安定性を確保。
- ポイント:弱いと姿勢が崩れやすくなり、腰痛の原因になる。
骨盤底筋群
- 位置:骨盤の底部を支える筋肉群。
- 役割:内臓を支えるだけでなく、骨盤の安定を保つ。衝撃吸収の役割も果たす。
- ポイント:特に女性ランナーにとって重要。出産後や加齢に伴い弱くなりやすい。
腹横筋
- 位置:腹部をコルセットのように包み込む筋肉。
- 役割:体幹の圧力を調整し、姿勢を維持。多裂筋や骨盤底筋群と連動して働く。
- ポイント:ランニング中の効率的なエネルギー伝達に不可欠。
横隔膜
- 位置:胸郭と腹腔を分けるドーム状の筋肉。
- 役割:呼吸の主要筋。吸気時に胸郭を広げ、酸素供給を最適化。
- ポイント:ランニング時の呼吸効率を大きく左右する。
ランニングでの体幹コアユニットの重要性
ランニングは「脚だけを使う運動」と思われがちですが、実は全身運動です。特に体幹のコアユニットは、次のような場面で重要な役割を果たします。
体幹の安定性を向上させる
多裂筋や腹横筋は、背骨や骨盤を安定させる役割を担っています。走行中に骨盤がぶれたり姿勢が崩れると、エネルギー効率が低下し、速く走ることが難しくなります。
呼吸効率を高める
横隔膜や腹横筋は呼吸を助ける筋肉です。これらを強化することで深い呼吸が可能となり、より多くの酸素を取り込むことができます。酸素供給が向上すれば、長距離でも高いパフォーマンスを維持できます。
怪我を予防する
骨盤底筋群や多裂筋は、関節や筋肉への負担を軽減する役割もあります。これにより、膝や腰への過剰な負担を抑え、怪我を予防します。
まとめ
体幹のコアユニットである「多裂筋」「骨盤底筋群」「腹横筋」「横隔膜」は、ランニングを支える重要な筋肉群です。これらを意識的に鍛えることで、パフォーマンス向上や怪我防止につながります。
日々のトレーニングに取り入れ、効率的なランニングを目指しましょう!
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