ランニングを愛する皆さん、想像してみてください。もし地球に一直線の橋が架かり、1キロ5分ペースで地球一周に挑むとしたら、一体どれくらいの時間がかかるのでしょうか?また、そんな巨大な橋を本当に作れるとしたら、そのスケールはどれほどのものになるのでしょう?空想の話ではありますが、ランナーなら「どれくらいで走れるのか?」と想像するだけでワクワクしませんか?
本記事では、ランニングを研究している理学療法士の視点から、地球一周ランニングの壮大なシミュレーションを行います。地球の赤道周囲長は約40,000キロメートル。その距離を1キロ5分ペースで走り続けると、理論上は約139日で走破可能。しかし実際にはエネルギー消費、睡眠、身体への負担といった問題が山積みで、現実的にはとても達成できません。それでも、休憩を挟みながら1日8時間走り続けるなら、1年2か月ほどで達成できる計算です。この空想を通じて、ランニングの新たな楽しみ方や、地球規模の壮大な挑戦に触れてみましょう。「走る」という行為が持つ可能性を広げる、ロマンあふれるお話です。

読み終わった後には、ランニングがさらに楽しくなること間違いなしです!
地球一周の「橋」を架ける問題


まず、地球に一直線の橋を架けるというアイデアには、いくつかの大きな課題が存在します。
橋の長さと材料の問題
- 地球の赤道周囲長は約 40,000キロメートル です。これは現存するどの橋よりもはるかに長く、壮大なスケールです。
- 世界最長の橋である中国の丹陽昆山大橋(全長約164.8キロメートル)と比較すると、その約 240倍の長さ が必要になります。
- もし1キロの橋を架けるのに1,000トンの鋼鉄を使用すると仮定すると、地球一周分には 約4,000万トン以上 の鋼鉄が必要です。この資材をどのように調達するのかは、全く見当もつきません。
環境と物理の問題
- 橋を赤道に沿って架ける場合、地球上の海、山、谷をすべてまたぐ必要があります。その上、台風や津波、地震といった自然災害にも耐えられる構造が求められます。
- 地球は時速約1,670キロで自転しているため、この自転の動きに対応できる設計も必要です。この課題を解決するには、これまでにない画期的な技術が必要になります。
誰が使うのか?
この橋を利用する目的が不明です。一般的な交通手段なら飛行機や船が圧倒的に速いため、この橋の利用価値はほぼ「ロマン」に限られます。
1キロ5分ペースで走り続ける問題

次に、1キロ5分ペースで「休まずに走り続ける」という前提を検討します。
理論計算
1時間で進む距離
1キロを5分のペースで走ると、1時間で12キロメートル進む計算になります。そのペースを維持してマラソン(42.195キロメートル)を走ると、約3時間30分かかることになります。
地球一周に必要な時間
地球の赤道周囲長は約40,000キロメートルなので、40,000 ÷ 12 = 約3,333.33時間(約139日)つまり、理論上は約139日で地球を一周できる計算です。
現実的な制約
エネルギーの問題
人間は1時間のランニングで約600~800kcalを消費します。139日間走り続けるには、毎日 10,000kcal以上 のエネルギー摂取が必要です。しかし、食事を摂る時間がないとすぐにエネルギー切れを起こします。
睡眠の問題
どれほど鍛えられたアスリートでも、睡眠を取らずに走り続けることは不可能です。最低でも1日に4~6時間、理想的には7時間以上の睡眠が必要で、これを怠ると体力や精神力が限界に達してしまいます。
精神力の問題
単調なランニングを139日間続けるには、非常に高いモチベーションと精神力が求められます。
身体への負担
足や関節への負担は計り知れません。休みなく40,000キロを走り続けると、筋肉痛や疲労骨折など、深刻な障害が発生する可能性があります。
現実的な挑戦に置き換えると?

「休まずに走る」ことは非現実的ですが、休憩を取りながら挑戦するとどうなるでしょうか?
1日8時間走ると仮定
- 1時間12キロ × 8時間 = 96キロ/日
- 地球一周に必要な日数
40,000 ÷ 96 = 約417日(約1年2か月)
この場合でも、毎日8時間のランニングを1年以上続けるという極めて過酷な挑戦になります。
まとめ
地球に橋を架けるという前提:地球全周の橋を作るには、物理的・資源的・経済的な壁が多すぎます。完全に空想の域を出ない話ですが、そのロマンに夢を馳せるのも一興です。
1キロ5分で休まず走り続けるという前提:計算上は約139日で地球を一周できますが、現実には睡眠や栄養補給、身体的な限界があるため実現不可能です。現実的に挑戦するなら、休憩を挟みながら1年以上の計画で取り組む必要があります。

壮大な空想ですが、こうした仮想シナリオを考えるだけでも、ランニングや地球のスケールについて新たな発見や楽しみが広がりますね。
コメント