【初心者必見】ふくらはぎが太いランナーは要注意!〜その5つの理由と対策〜

ランニングブログ

「走るたびにふくらはぎが太くなっていく気がする…」そんな悩みを抱えていませんか?実は、ランニングフォームに問題があると、ふくらはぎに余計な負担がかかり、筋肉が過度に発達してしまいます。本記事では、ふくらはぎが太くなる理由とその解決法、さらに理想的なランニングフォームについてランニングを研究している理学療法士の目線で解説します。

ふくらはぎに負担が集中する主な原因は、足底の使い方が悪く、足部で蹴りすぎていることです。これによりふくらはぎが過剰に働き、疲労や筋肥大を引き起こします。また、股関節の使い方が悪いと体幹を前傾させられず、脚全体で補おうとしてふくらはぎに負担がかかります。さらに、足の接地位置が重心より前すぎると非効率なフォームになり、ふくらはぎに余計な力がかかってしまいます。

理想的なランニングフォームを作るには、足を重心の真下で接地する「真下接地」を意識し、肩甲骨を内側に引き寄せて上半身を安定させることが大切です。股関節の可動域を広げるストレッチや体幹を鍛えるエクササイズを取り入れると、フォームの改善に役立ちます。

ポイ活夫
ポイ活夫

本記事を参考に、フォームを見直しながら快適で効率的なランニングを目指しましょう!

ふくらはぎが太くなるランナーの5つの理由!

ふくらはぎ(下腿三頭筋)は、腓腹筋とヒラメ筋から構成され、その踵との付着部はアキレス腱です。一見すると、ランナーにとってふくらはぎが太いことは良いことのように思われがちです。しかし、一流のランナーのふくらはぎは、細く引き締まっており、決して太くはありません。間違ったランニングフォームで走ると、ふくらはぎに過剰な負担がかかり、筋肉が太くなりすぎるだけでなく、長時間のランニングが難しくなり、ケガのリスクも高まります。そのため、正しいフォームで走ることが重要です。

ポイ活夫
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ふくらはぎが太くなっている5つの理由を説明していきます。

足底の使い方が悪く、足部で蹴り過ぎている 

足底全体で均等に力を押し出せない場合、足首の底屈(足首を下に曲げる動き)が強調され、その結果、下腿三頭筋(腓腹筋やヒラメ筋)が過剰に活動します。この過剰な筋活動が、筋肥大の一因となります。

股関節の使い方が悪く、体幹の前傾ができていない

股関節の使い方が悪いと、体幹を前傾させることができず、脚全体で股関節の動きを補おうとするため、ふくらはぎの負担が増えます。

足底の接地位置が前方過ぎて、真下接地ができていない

足底の接地位置が身体の重心から遠いと、ブレーキがかかりランニングスピードが落ちます。そしてふくらはぎにも余分な負担が生じます。

背中が丸まっており、肩甲骨内転ができていない

背中が丸まっている、肩甲骨が内転できていない(肩甲骨が外側に広がった状態)ランニングフォームだと上半身が安定せず、効率の良い重心移動が難しくなり、ふくらはぎへの負担が増加します。

体幹の筋力(体幹のインナーマッスル)が弱く、骨盤の前傾ができていない

体幹の筋力が弱く、骨盤の適切な前傾ができていないと、重心移動がスムーズにならず、ふくらはぎへの負荷が大きくなります。

ふくらはぎが太くならないランニングフォーム

ポイ活夫
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ふくらはぎが太くならないためのランニングフォーム5つを説明していきます。

足底全体で押し出すランニングフォーム

ポイ活夫
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足部の接地時に足底全体で押し出すことにより、効率の良い走りができます。

足底全体で押し出す走り方のメリット

  • エネルギー効率の向上

足底全体での反発力を利用することで力の伝達がスムーズになり、エネルギーロスを最小限に抑えられます。

  • 推進力の強化

適切な足部の角度で地面を捉えることで、より強い反発力を得ることができます。この推進力がスピードの向上につながります。

  • 衝撃の吸収と疲労軽減

足底の反発を活かし、足部の角度を調整することで、衝撃が適切に分散され、足首や膝、腰への負担を軽減します。

足底全体で押し出す方法

  • 足裏全体で反発力を感じる

足底を柔らかく地面に接触させ、反発力を受け止めながらスムーズに体重を移動させます。

接地時に足裏の「どの部分」で地面を捉えているかを確認し、足底全体を活用しましょう。

  • 足部の角度を調整する

接地時の角度足部が地面に対して自然な角度(ニュートラルポジション)で接触することが理想です。

足底で押し出す際つま先が正面を向き、地面をしっかりと押し出す動きを意識しましょう。

推奨エクササイズ

ふくらはぎストレッチ

足首の柔軟性を高めることで、足部の自然な角度を保ちやすくします。

足首回転運動

足部の可動域を広げ、反発力を引き出す動きをサポート。

  • 足底アーチを鍛える

足部の角度が正しく保たれるためには、足底アーチの安定が不可欠です。

推奨エクササイズ

タオルギャザー

足指でタオルを掴むように引き寄せる運動。

股関節を正しく使い、体幹を前傾させるランニングフォーム

ポイ活夫
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股関節を正しく使い、体幹を前傾させることで効率の良い走りができます。

体幹を前傾させる

  • 体幹を適度に前傾させることで、自然な重心移動が生まれ、股関節を動かしやすくなります。この動きがストライドの効率的な伸びに繋がります。

練習方法

  • 軽いジョグからスタートし、股関節を軸に体幹を少しずつ前傾させます。
  • 背中が丸まらないように注意しながら、自然に足が前に出る感覚を掴みましょう。
  • 倒す角度は5~10度が目安です。前傾しすぎると腰に負担がかかるため注意が必要です。

股関節の屈曲・伸展を正しく行う

股関節を前に曲げる動きを屈曲・後ろに伸ばす動きを伸展と言います。

屈曲・伸展のポイント

  • 屈曲足を前に持ち上げるときに、膝を軽く上げ、腸腰筋を使って太ももを引き上げる。
  • 伸展足を後方に蹴り出すときに、大臀筋とハムストリングを使って伸ばす。

股関節の柔軟性と筋力を高める

股関節を効率よく動かすには、柔軟性と筋力の向上が必要です。特に、腸腰筋や大臀筋、ハムストリングのトレーニングを取り入れることで、ストライドが自然と伸びるようになります。

推奨エクササイズ

腸腰筋のストレッチ
仰向けで手で膝を抱え、お腹に近づける。
左右30秒ずつキープ。

ランジ
一歩前に踏み出し、膝が床につく寸前まで体を沈める。
左右片脚10回×3セット。

ピッチを大きく変えない

ピッチを意図的に増やそうとすると、足が急いで動きすぎ、股関節の動きが小さくなります。スピードを上げる場合でも、ピッチは現状のリズムを維持しつつ、ストライドの改善に集中しましょう。

ポイント

  • ピッチの目安は1分間170~180歩。
  • 無理に歩数を増やさず、股関節の動きでストライドを調整する。

注意点

  • 無理にストライドを伸ばさない
    足を前に大きく出そうとすると、接地が重心の前になりブレーキ動作となります。
  • 柔軟性の過不足に注意
    股関節の柔軟性が足りないと動きが制限され、過剰に柔らかすぎても力が入りにくくなります。適度なバランスを保ちましょう。

足部を真下に接地させるランニングフォーム

ポイ活夫
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足部の接地位置が身体の前方すぎると、ブレーキがかかりランニングスピードが落ちます。そしてふくらはぎにも余分な負担が生じます。改善のためには真下接地が必要です。

真下接地とは?

真下接地とは、足部が体の重心の真下に接地することを指します。このフォームを習得することで、身体への負担を減らし、効率的なエネルギー伝達が可能になります。

理想的な真下接地の特徴

  • 足部が膝の真下、体の中心に近い位置で接地する。
  • 接地時に踵ではなく、足底の中央(ミッドフット)や、つま先寄り(フォアフット)で接地する。
  • 接地後すぐに地面を押し出すように動作を進める。

真下接地の重要性

怪我のリスクを軽減

真下接地により、足首やふくらはぎの筋肉で衝撃を吸収でき、関節への負担を軽減します。

エネルギー効率の向上

  • 真下接地は、体の重心に近い位置で接地するため、前方向への推進力を無駄なく使えます
  • 過剰なブレーキ動作を避けることで、スムーズでエネルギー効率の高い走りが可能になります。

スピードアップに貢献

  • 足を体の真下で効率よく接地させると、ストライド(歩幅)を無理に広げる必要がなくなり、より速く足を回転させられます。
  • 短い接地時間で推進力を生み出せるようになります。

真下接地を習得するためのステップ

姿勢を整える

  • 頭から足まで一直線を意識頭を上に引っ張られるイメージで胸を張る。
  • 体幹の前傾姿勢をキープ体幹を軽く前傾し、重心が足の下に来るように調整。

真下接地の感覚を掴む

推奨エクササイズ

スキップ走

  • 足を軽く引き上げながらスキップする動作で、真下に接地する感覚を養います。
  • 10~20mを2~3セット行います。

トレイル走

柔らかい地面(芝生や砂浜)を走ることで、自然とミッドフット接地が身につきます。

高速足踏み

  • その場で足を小刻みに動かし、重心の下で接地する感覚を確認します。
  • 20秒間の高速足踏みを2セット実施。

背中を伸ばし肩甲骨を内転させるランニングフォーム

ポイ活夫
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背中を適度に伸ばし、肩甲骨を内転させる(肩甲骨を内側に引き寄せる)ことにより、効率的な走りができます。

肩甲骨を内転させて胸を張る

肩甲骨が外側に広がったままだと上半身が安定せず、効率的なランニングフォームが難しくなります。胸を張り、肩甲骨を内転させることで、上半身を安定させます。  この姿勢により重心が安定し、余計な脚の負担が減ります。  

推奨エクササイズ  

肩甲骨回し

肩甲骨を柔軟に動かすための基本的な動作。

その他の肩甲骨を内転させるメリット

  • 酸素供給が改善される

肩甲骨を内転させることで胸が自然に開き、猫背や肩のすくみを防げます。結果として、ランニング中の呼吸が深くなり、酸素供給が向上します。

  • 腕振りがスムーズになる

肩甲骨を内転させることで背中の大きな筋肉を活用でき、腕をよりスムーズに振れるようになりますこれにより疲労が軽減されます。

体幹の筋肉(体幹のインナーマッスル)を鍛え骨盤を前傾させるランニングフォーム

ポイ活夫
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体幹筋を鍛え、骨盤を適度に前傾させることにより、効率的な走りが可能になります。

体幹の筋肉(体幹のインナーマッスル)とは?

体幹の「インナーマッスル」を構成する重要な筋肉には、「多裂筋(たれつきん)」「骨盤底筋群(こつばんていきんぐん)」「腹横筋(ふくおうきん)」「横隔膜(おうかくまく)」があります。これらの筋肉は相互に連動(コアユニットを構成)しながら働きます。

体幹のインナーマッスル4つ

多裂筋(たれつきん)背骨を安定させる。

骨盤底筋群(こつばんていきんぐん)骨盤の底を支える筋肉群。

腹横筋(ふくおうきん)腹部を包むように配置された筋肉。

横隔膜(おうかくまく)呼吸に関与する筋肉。

これらの筋肉が連動することで、腹圧を高め、適切な骨盤前傾が可能となります。

その他、体幹のインナーマッスルの役割

  • 体幹の安定性を向上させる

多裂筋や腹横筋は、背骨や骨盤を安定させる役割を担っています。走行中に骨盤がぶれたり姿勢が崩れると、エネルギー効率が低下し、速く走ることが難しくなります。

  • 呼吸効率を高める

横隔膜や腹横筋は呼吸を助ける筋肉です。これらを強化することで深い呼吸が可能となり、より多くの酸素を取り込むことができます。酸素供給が向上すれば、長距離でも高いパフォーマンスを維持できます。

  • 怪我を予防する

骨盤底筋群や多裂筋は、関節や筋肉への負担を軽減する役割もあります。これにより、膝や腰への過剰な負担を抑え、怪我を予防します。

推奨エクササイズ

バードドッグ(多裂筋を鍛える)

方法

  • 四つん這いになり、右手と左脚を同時に持ち上げる
  • 体がぶれないように5秒キープ。
  • ゆっくり元に戻し、反対側も行う。
  • 左右10回ずつ、3セット行う。

ポイント

  •  背中が反らないように注意
  •  動作はゆっくり丁寧に。

骨盤底筋エクササイズ(骨盤底筋群を鍛える)

方法

  •  椅子に座り、骨盤底筋を締める(尿を我慢するような感覚)。
  •  5秒間キープし、ゆっくり緩める。
  •  これを10回繰り返す。

ポイント

  •  息を止めない。
  •  太ももやお尻に力が入らないよう注意。

ドローイン(腹横筋を鍛える)

方法

  • 仰向けに寝て、膝を軽く曲げる。
  • 息を吐きながら、お腹を背骨に向かって引き込むように力を入れる
  • 10秒間キープし、自然に呼吸を続ける。
  • これを10回繰り返す。

ポイント

  • 腰が反らないように注意
  • 強く引き込みすぎず、軽く引っ張る感覚を意識。

腹式呼吸(横隔膜を鍛える)

方法

  •  仰向けまたは座って、片手を胸、もう片手をお腹に置く。
  •  鼻から息を吸い、お腹が膨らむのを感じる。
  •  口からゆっくり息を吐きながら、お腹をへこませる
  •  1セット10回、3セット行う。

ポイント

 • 胸が動かず、お腹だけが動くよう意識

プランク(体幹全体の筋力を鍛える)

方法

  • 両肘を肩の真下につき、つま先を床につける。
  • 頭からかかとまでが一直線になるようキープする。
  • 20~30秒間維持し、3セット行う。

ポイント

  •  腰が落ちないように注意
  •  お腹とお尻を軽く締める。

ふくらはぎが太くなることを防ぐためのチェックポイント

ポイ活夫
ポイ活夫

以下のポイントを少しずつ改善することで、ふくらはぎへの負担が減り、理想的なランニングフォームに近づくことができます。

  • 足部は過剰に蹴っていないか?
  • 股関節がスムーズに動き、体幹は前傾できているか?
  • 足部の接地は真下か?
  • 肩甲骨を内転させ、胸を張れているか?
  • 体幹が安定しており、骨盤は適切に前傾できているか?

まとめ

ふくらはぎが太くなる原因は、効率の悪い走り方にあることが多いです。  本記事で紹介したポイントを改善することで、ふくらはぎの筋肉を無駄に使わず、美しく走ることが可能です。

ミニマリスト妻
ミニマリスト妻

ぜひ今日から取り組んでみましょう!

参考文献

  • 金哲彦.『走りがグンと軽くなる 金哲彦のランニング・メソッド完全版』.高橋書店,2019.
  • 中野 ジェームズ修一.『マンガでわかる 新しいランニング入門 』.池田書店,2019.
  • 佐竹勇人.『着地動作における足部内在筋の影響』.臨床スポーツ医学.2019,36(5),p. 536-541.

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