「運動の大切さはわかっているけど、時間がない」「ジムに行くのも面倒だし、続かない」。そんな悩みを抱えていませんか?仕事や家庭に追われる中で、運動を習慣化するのは決して簡単ではありません。しかし、限られた時間でも、しっかり効果を出す方法があるとしたらどうでしょうか?
本記事では、ランニングを研究している理学療法士兼ランニングアドバイザーの視点から、短時間で効果的に体を変える「HIIT(高強度インターバルトレーニング)」について解説します。
結論から言えば、HIITはたった4分でも、持久力・脂肪燃焼・筋力アップといった幅広い効果を得られる“時短トレーニング”です。忙しい現代人にこそ適したこの運動法を取り入れることで、運動不足を解消しながら、健康的で引き締まった体を手に入れることができます。
運動に挫折しがちな方こそ、ぜひ最後までご覧ください。
運動はなぜ「万能薬」なのか?

運動は単なるダイエット目的にとどまりません。科学的に認められた「健康の根幹を支える行動」です。以下のような多面的なメリットがあります。
- 基礎代謝が上がり太りにくくなる
- 心疾患・糖尿病・脳卒中・がんなどのリスク低下
- 善玉コレステロールが増え、血中脂質が改善
- 血管の柔軟性が保たれ、血圧が正常化
- 神経細胞の活性化により認知症リスクを低下
- ホルモンバランスが整い、若さを保つ
- 疲れにくくなり、日常の活動性が向上
このように、運動は心身の健康をトータルで支える「生きる力」そのものです。
有酸素運動と無酸素運動の違い

運動には大きく分けて2種類あります。
- 有酸素運動:スタミナ向上に効果的で、ウォーキングやジョギングなどが代表例です。
- 無酸素運動:筋力・瞬発力アップに効果的。短距離ダッシュや筋トレなどです。
どちらも重要ですが、両方を十分に行うには時間がかかるため、効率よく組み合わせる工夫が必要です。
HIITとは?最小の時間で最大の効果を得る方法

HIIT(High Intensity Interval Training)は、高強度の運動と短い休憩を交互に行うトレーニング方法です。
有酸素運動と無酸素運動の効果を同時に得られるため、効率が非常に高く、医学的にも注目されています。
HIITの特徴とメリット
具体的なHIITの方法

基本ルール
- 20秒運動+10秒休憩×8セット(計4分)行う
- 初心者は週2回から開始し、慣れたら週3〜4回が目安
- 実施日は1日以上間隔をあける(例として水曜・土曜の2日行うなど)
負荷の目安
- 最大心拍数の70〜80%程度で行う
- 最初は「ややきつい」レベル(ボルグスケール13)から開始する
- 安全かつ継続できる強度を意識する
おすすめ種目
複数の大筋群を同時に使う種目を選ぶと、より高い運動効果が得られます。
HIITのダイエット効果と「アフターバーン」

HIITは、体重の減少よりも「体の引き締まり」に効果を発揮します。
なぜ体重は落ちにくい?
- 脂肪を減らしつつ筋肉を増やすため、体重は変わらなくても見た目が大きく変わります
- 筋肉が増えることで基礎代謝も上がり、太りにくい体質になります
アフターバーン効果の特徴
- アフターバーン効果とは運動後もエネルギー消費が続く(酸素摂取量が高い状態が持続)状態です
- 脂肪が優先的に使われる
- 特に朝に行うと日中の代謝が高まり、効果が倍増します
HIITは「効率的に脂肪を燃やせる」数少ないトレーニング法です。
HIITが向いている人とは?

どれか一つでも当てはまるなら、HIITを試す価値は十分あります。
安全に続けるためのポイント

まとめ
HIITは、忙しい現代人にとって最適なトレーニング方法です。たった4分から始められ、脂肪燃焼、筋力アップ、持久力向上、生活習慣病予防まで、多くの効果が得られます。
「運動に時間をかけられないけど、健康は維持したい」「見た目もパフォーマンスも変えたい」――そんな方は、ぜひ今日からHIITを取り入れてみてください。

最初の一歩が、あなたの体と生活を大きく変えるきっかけになります。
参考文献
川田浩志.『世界一効率がいい 最高の運動』.かんき出版,2019.
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