「ランニングの後半で失速してしまう」「一定のペース走では物足りない」そんな悩みを持つランナーは多いのではないでしょうか?
そこで効果的なのがビルドアップ走です。ビルドアップ走とは、一定の距離を走る中で途中から段階的にペースを上げていくトレーニングで、ペース走に比べて負荷が高く、実戦的な走力を養えるのが特徴です。
本記事では、ランニングを研究している理学療法士 × ランニングアドバイザーの立場から、ビルドアップ走の具体的なやり方とメリットを解説します。
結論から言うと、ビルドアップ走は「スタミナ」と「スピード」を同時に鍛えられ、特にレース後半の粘りを養うのに最適なトレーニングです。さらに負荷の調整がしやすいため、初心者から上級者まで幅広く応用できます。

この記事を読むことで、あなたのランニング習慣にビルドアップ走を取り入れ、確実に力を伸ばすためのヒントが得られます。
ビルドアップ走とは?

ビルドアップ走とは、一定の距離を走る中で、途中から段階的にペースを上げていくトレーニングです。
ペース走(一定のスピードで走り続ける練習)と似ていますが、ビルドアップ走では途中でスピードを上げていくため、より高い負荷をかけることができます。
以下のような特徴があります。
- スタミナとスピードの両方を効率的に鍛えられる
- レース後半の粘り強さを身につけるのに有効
- 負荷のかけ方を調整しやすく、初心者から上級者まで応用可能
STEP 1:距離とペースの設定

距離の目安
ビルドアップ走の距離は、基本的にペース走と同じように考えて構いません。
初心者や時間が限られている人:5kmからスタート
フルマラソンを視野に入れている人:10〜15kmがおすすめ
トレーニングの目的やレベルに応じて調整しましょう。
ペース設定例
フルマラソン4時間30分(=6分30秒/km)を目指す人の場合
→ 6分30秒/kmでスタートし、ラスト1kmで5分30秒/kmにビルドアップ
重要なのは、最初のペースを無理に速くしないこと。余裕を持ってスタートし、後半にしっかりペースアップすることがビルドアップ走成功の鍵です。
STEP 2:ビルドアップの方法と進め方
ビルドアップ走では、「どこからペースを上げるか」「どの程度上げるか」で強度が大きく変わります。

無理なく取り組むためには、段階を踏んで実践していくことが重要です。
実践ステップ
- 最初は「最後の1km」だけペースアップ→ 余裕があれば成功率が高い
- 慣れてきたら「残り2km」「残り3km」とペースアップの開始地点を前倒し
- ペースアップ後はそのペースを最後まで維持
途中でペースダウンしてしまうと、ビルドアップ走の効果が薄れてしまいます。まずは「最後の1kmだけ上げて終わる」ことから始め、成功体験を積むことが大切です。
STEP 3:よくある失敗と注意点

ビルドアップ走はメリハリのあるトレーニングである一方で、やり方を間違えると以下のような失敗につながります。
ありがちな失敗
- ペースアップの開始が早すぎる
- 上げる幅が大きすぎる
- ペースアップ後に維持できず失速
これらを防ぐには、最初から無理をしないこと。感覚としては「もう少し行けそう」くらいで終えられるペース配分が理想です。
STEP 4:トレーニング後のクールダウン

ビルドアップ走は、終盤に心拍や筋負荷が高まります。トレーニング後には必ずクールダウンを行いましょう。
- ビルドアップの最後はペースを徐々に落としてジョグに移行
- 最後はウォーキングにして呼吸と心拍を落ち着ける
- 帰宅後にストレッチやアイシングでケアを行う
クールダウンまでしっかり行うことで、筋疲労や関節へのダメージを最小限に抑えられます。
STEP 5:ビルドアップ走を習慣にするコツ

- 同じ距離・コースで繰り返すと、比較がしやすく成長を実感しやすい
- GPSウォッチなどでラップタイムを記録し、前回との違いをチェック
- 毎週または隔週で取り入れると、レース後半の粘りが強化される
まとめ
ビルドアップ走は、スタミナ・スピード・粘り強さといったランナーに必要な能力を、効率よく鍛えられるトレーニングです。
ただし、間違ったやり方では逆効果になることもあるため、以下の点に注意しましょう。

ビルドアップ走は“継続することで効果が見える”練習です。ぜひあなたのランニング習慣に取り入れてみてください。
参考文献
- 鈴木清和.『確実に速くなる ランニングの科学』.池田書店,2015.
- 金哲彦.『ランニング・スタート・ブック』.枻出版社,2008.


コメント